不動産基礎知識

2015年3月26日木曜日

建物滅失時の対抗力は?



建物滅失時の対抗力は?


建物の登記をしている借地上の建物の場合、借地権は第三者に対抗

できます。しかし建物が火災等で滅失した場合はどうなるでしょう。

建物が滅失した場合でも建物の登記をしているので、その借地権は

第三者に対抗できるでしょうか。


不動産登記法上、その登記は無効となります。つまり現実にその建

物が滅失して存在しない以上、いくら登記をしていてもだめなんで

す。1か月以内に建物の滅失の登記をしてくださいということにな

ります。

建物の登記がなければ第三者に対抗できません。こんなことではい

けないと借地借家法第10条2項を設けました。


1 その建物を特定するために必要な事項
2 その建物の滅失があった日
3 建物を新たに築造する旨

借地権者は、上記の文言を土地の上の見やすい場所に掲示し、建物

の滅失があった日から2年以内に新たに築造し、かつ登記をする場

合に限り、建物滅失から登記するまでの間は第三者に対抗できるこ

ととしました。(借地借家法10-2)


・ここでいう「その建物を特定するために必要な事項」とは、建物の

所在地番、家屋番号、構造、床面積(不動産登記簿の表題部に記

載されている事項)で特定できるものと思われます。


・滅失とは、天災、火事、取毀、等で建物がなくなることですが、

ここでいう滅失には「取毀」は含まれないと思われます。



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【参考】  借地借家法  第二節 借地権の効力

(借地権の対抗力等)
第十条  借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が
登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗
することができる。
2  前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、
その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建
物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは
、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があっ
た日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造
し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
3  民法 (明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条第一項
 及び第三項 の規定は、前二項の規定により第三者に対抗すること
ができる借地権の目的である土地が売買の目的物である場合に準用
する。
4  民法第五百三十三条 の規定は、前項の場合に準用する。

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