不動産基礎知識

2015年3月15日日曜日

不動産関係民法・時効とは

*時効とは





一定の事実の状態が一定期間継続した場合、この状態が真実の権利

状態であろうとなかろうと、この事実の状態に応じる法律効果を法

律上認める制度を時効といいます。




文章では抽象的になり、難しくなります。

簡単な話、他人の土地とわかりながら20年間、所有の意思をもっ

て、平穏に、かつ、公然と占有した者は、その所有権を取得する。

(民法162-1)

つまり自分の土地になってしまうという、恐ろしいことが法律で認

められています。^^


上記のような取得時効はあまりありません。しかし隣地との間の境

界線のはっきりしない土地では頻繁に起こります。


隣地の所有者が「俺の土地はここまであるんだ。お前の亡くなった

お父さんとは話ができているんだ。」と言われる。そんなこと父か

ら何も聞いていなかったがなあ。そうかなあ。そのうち隣地の所有

者が塀を造ったとします。実際は隣地の所有者が悪意でかなり土地

を取り込んでこちらの方へ塀を造ったものとわかりました。しかし

塀を造ってから20年経っていました。息子は隣地の所有者を相手

に裁判を起こしました。しかし時効取得で取られてしまいました。


AさんがB飲食店で飲食し、その飲食代金を借りていました。飲食

店から催促もなく1年が経過しました。飲食代は消滅時効で、Aさ

んは飲食代を払わなくていいことになりました。額はわずかでしょ

うが、こんなことがあっていいんでしょうか。


*時効の種類




・取得時効・・・・・長期間にわたって他人の物を占有した者に所
           有権等の権利を認めるもの。

・消滅時効・・・・・一定期間行使をしなければ、その権利(債権
           等)を消滅させるもの。



*時効を認める理由は何でしょう。




・長期間事実関係が続けば、これを基礎として、いろいろな法律関

係ができてきます。ここへ本当の権利者が現れて、根底から覆すよ

うことになれば社会の秩序が害されると考えられています。


・年月の経過によって、証拠資料の滅失等により、一定の事実の状

態と、真実の権利状態のどちらが正しいのか、判断が困難である。


・長期間、自分の権利を行使しないで、権利の上に眠っている者は

法律の保護に値しないという解釈である。



ということで、自分のことは自分でしっかり管理せんと、時効で取

られるよ。法律は、個人の財産の管理までいちいち面倒は見ないよ。

そこまで細かいことやってられんわ~。^^ というわけです。

法律は、よくこんな薄情なところがあります。安心せずに気をつけ

ましょう。^^




(参考)  【民法】   第七章 時効  第二節 取得時効


(所有権の取得時効)

第百六十二条  二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公

然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

2  十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物

を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失

がなかったときは、その所有権を取得する。


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