*使用貸借と賃貸借について
使用貸借・・・無償(ただ)で貸すことを使用貸借といいます。
この場合、不動産に関しては、借地借家法という法律が絡んでき
ません。
これに反して、賃料を取って貸すことを賃貸借といいます。不動
産に関しては、借地借家法という法律が絡んできます。
少しの期間で貸す場合、返してもらえなくなったらたいへんなの
で使用貸借にして貸した方がいいということです。
少しの期間、例えば、5年間ほど遠方に転勤になり、5年経てば
帰って来る場合、その間誰かに貸そうとしたとき、返してもらえ
ないということになればたいへんです。
それなら貸さずにそのままにしておこう、というようなことにな
ります。
借地借家法が賃貸住宅の供給にブレーキをかけることになりかね
ないと、あれこれ考えられ、定期賃貸借制度が生まれました。
この方式で貸すと、期限が来たら返してもらえるようになったの
です。定期賃貸借では、家主の立場が強くなったといえます。
*使用貸借
民法に使用貸借の規定があります。この規定は不動産に限らず、
一般的な規定です。
1.無償で使用収益後、返還すると約束して、物を受け取ること
で使用貸借の効力が生じます。
2.目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及
び収益をしなければならない。
借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用又は収
益をさせることができない。
違反したときは契約の解除ができる。
3.使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。
賃貸借のように、賃借権が借主の相続人に承継されることはあり
ません。
(参考) 【民法】 第六節 使用貸借
(使用貸借)
第五百九十三条 使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収
益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取
ることによって、その効力を生ずる。
(借主による使用及び収益)
第五百九十四条 借主は、契約又はその目的物の性質によって定
まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。
2 借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用又
は収益をさせることができない。
3 借主が前二項の規定に違反して使用又は収益をしたときは、
貸主は、契約の解除をすることができる。
(借用物の費用の負担)
第五百九十五条 借主は、借用物の通常の必要費を負担する。
2 第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の
費用について準用する。
(貸主の担保責任)
第五百九十六条 第五百五十一条の規定は、使用貸借について準
用する。
(借用物の返還の時期)
第五百九十七条 借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還を
しなければならない。
2 当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に
定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなけれ
ばならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、
使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、
直ちに返還を請求することができる。
3 当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかっ
たときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる。
(借主による収去)
第五百九十八条 借主は、借用物を原状に復して、これに附属さ
せた物を収去することができる。
(借主の死亡による使用貸借の終了)
第五百九十九条 使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を
失う。
(損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限)
第六百条 契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害
の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時
から一年以内に請求しなければならない。
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*上記条文中に出てくる条文
(買戻しの実行)
第五百八十三条 売主は、第五百八十条に規定する期間内に代金
及び契約の費用を提供しなければ、買戻しをすることができない。
2 買主又は転得者が不動産について費用を支出したときは、売
主は、第百九十六条の規定に従い、その償還をしなければならな
い。ただし、有益費については、裁判所は、売主の請求により、
その償還について相当の期限を許与することができる。
(贈与者の担保責任)
第五百五十一条 贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵
又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がそ
の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、こ
の限りでない。
2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、
売主と同じく担保の責任を負う。
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