*消滅時効とは
一定期間行使しない権利を消滅させることを消滅時効といいます。
権利者がその権利を行使しないのだから、法律は面倒みませんよ、
消滅時効にしますというわけです。
所有権を除く各種財産権(物権、債権等)は、原則として、すべて
消滅時効にかかります。
*債権の消滅時効(不動産と直接関係ありませんが列挙します。)
・普通の債権 10年 (民法167)
・1年、1年以下の短い時期によって定めた金銭その他の物の給付
を目的とする債権は 5年 (民法169)
・医師、助産師、薬剤師の診療、助産、調剤に関する債権 3年
・工事の設計、施工、監理を業とする者の工事に関する債権 3年
(民法170)
・弁護士、弁護士法人、公証人 職務上受取り書類の免責任 3年
(民法171)
・弁護士、弁護士法人、公証人の職務に関する債権 2年
(民法172)
・生産者、卸売商人、小売商人が売却した産物、商品の代価の債権 2年
(民法173)
・1月、1月以下の使用人の給料、
・自己の労力、演芸を業とする者の報酬等
・運送賃に係る債権
・旅館、料理店、飲食店、貸席、娯楽場の宿泊料、飲食料、席
料、入場料、消費物の代価、立替金に係る債権
・動産の損料に係る債権
1年(民法174)
*債権または所有権以外財産権(地上権、地役権等)の消滅時効 20年(民法167-2)
(注)所有権は取得時効にかかりますが、消滅時効にかかりません。
*確定判決によって確定した権利については、10年より短い時効
期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年としま
す。(民法174の2)
(参考)
*占有
物にたいする事実的、外形的支配のこと。
*善意・無過失(善意であり、かつ、過失がない)
自己の所有物と信じ、かつ信ずることについて過失(不注意で認
識し得ないこと。落ち度。)がないこと。
*悪意・過失
自己の所有物ではなく、他人の所有物であることを知っている。
他人の所有物であることを知らなかったが過失があった場合。
*財産権・・・・・経済的利益を有する権利を財産権といいます。
物権、債権、無体財産、株式等
*物権・・・・・・物権法定主義で民法で4つ定めています。
所有権、用益物権、担保物権、占有権
【民法】
第七章 時効
(債権等の消滅時効)
第百六十七条 債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
2 債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、
消滅する。
(定期金債権の消滅時効)
第百六十八条 定期金の債権は、第一回の弁済期から二十年間行使
しないときは、消滅する。最後の弁済期から十年間行使しないとき
も、同様とする。
2 定期金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、
その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。
(定期給付債権の短期消滅時効)
第百六十九条 年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他
の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅す
る。
(三年の短期消滅時効)
第百七十条 次に掲げる債権は、三年間行使しないときは、消滅す
る。ただし、第二号に掲げる債権の時効は、同号の工事が終了した
時から起算する。
一 医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債権
二 工事の設計、施工又は監理を業とする者の工事に関する債権
第百七十一条 弁護士又は弁護士法人は事件が終了した時から、公
証人はその職務を執行した時から三年を経過したときは、その職務
に関して受け取った書類について、その責任を免れる。
(二年の短期消滅時効)
第百七十二条 弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権
は、その原因となった事件が終了した時から二年間行使しないとき
は、消滅する。
2 前項の規定にかかわらず、同項の事件中の各事項が終了した時
から五年を経過したときは、同項の期間内であっても、その事項に
関する債権は、消滅する。
第百七十三条 次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消滅
する。
一 生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価
に係る債権
二 自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事
場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権
三 学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿の代
価について有する債権
(一年の短期消滅時効)
第百七十四条 次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消滅
する。
一 月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債
権
二 自己の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬又はその供給し
た物の代価に係る債権
三 運送賃に係る債権
四 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席
料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権
五 動産の損料に係る債権
(判決で確定した権利の消滅時効)
第百七十四条の二 確定判決によって確定した権利については、十
年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、
十年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有
するものによって確定した権利についても、同様とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権につい
ては、適用しない。
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