不動産基礎知識

2015年3月14日土曜日

不動産関係民法・保証人と保証債務 2

・主たる債務と保証債務の関係




保証債務は主たる債務を担保するものですから、主たる債務がなけ

れば保証債務もありません。主たる債務が消滅すれば保証債務も消

滅します。




・保証人の負担は主たる債務が限度


また主たる債務より重いことはありません。

民法448条に、保証人の負担が債務の目的又は態様において主た

る債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する、とあ

り、主たる債務の限度まで下げるということです。

・保証債務の範囲


保証債務の範囲は、特約がなければ、主たる債務に関する利息、違

約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含します。

しかし、違約金または損害賠償の額については特約することができ

ます。(民法447 1項 2項)



・保証人の履行責任)



保証人は、主たる債務者が履行しないときに初めて履行する責任が

あります。(民法446)



・催告の抗弁権


債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主

たる債務者に催告してくれと請求することができます。これを催告

の抗弁権といいます。(民法452)



・検索の抗弁


保証人は、まず主たる債務者に催告してくれと請求したが、債権者

が「主たる債務者に催告したが、履行してくれませんでした。」と

言った場合どうなるでしょう。

主たる債務者に弁済をする資力があり、執行が容易であることを保

証人が証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産につい

て執行をしなければなりません。(民法453)


・数人の保証人がある場合は割り勘


保証債務を負担する割合は、別段の意思表示がないときは、それぞ

れ等しい割合で負担する義務があるということです。つまり頭割り、

割り勘でいいということです。(民法456、427)



・保証人の主たる債務者に対する求償権


保証人が主たる債務を弁済したときは、その求償権は保証人に、当

然あります。ケースによって変わります。

一般的な「委託を受けた保証人の求償」について述べます。「委託

を受けない保証人の求償権」については省略します。



保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合


主たる債務者に代わって弁済をし、その他自己の財産をもって債務

を消滅させるべき行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者

に対して求償権を有する。

つまり返済額、返済後の法定利息、避けることができなかった費用

その他の損害額を求償することができます。(民法459 442

-2)




(参考)  【民法】



(連帯債務者間の求償権)

第四百四十二条  連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財

産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、他の連帯

債務者に対し、各自の負担部分について求償権を有する。

2  前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の

法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を

包含する。



(保証人の責任等)

第四百四十六条  保証人は、主たる債務者がその債務を履行しな

いときに、その履行をする責任を負う。

2  保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。

3  保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁

気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で

作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供される

ものをいう。)によってされたときは、その保証契約は、書面によ

ってされたものとみなして、前項の規定を適用する。



(保証債務の範囲)

第四百四十七条  保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、

損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。

2  保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償

の額を約定することができる。



(保証人の負担が主たる債務より重い場合)

第四百四十八条  保証人の負担が債務の目的又は態様において主

たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。




(催告の抗弁)

第四百五十二条  債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、

保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することがで

きる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、

又はその行方が知れないときは、この限りでない。



(検索の抗弁)

第四百五十三条  債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告

をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があ

り、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、ま

ず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。


(数人の保証人がある場合)

第四百五十六条  数人の保証人がある場合には、それらの保証人

が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七

条の規定を適用する。


上記条文関連

(分割債権及び分割債務)
第四百二十七条  数人の債権者又は債務者がある場合において、別
段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等し
い割合で権利を有し、又は義務を負う。 



(委託を受けた保証人の求償権)

第四百五十九条  保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をし

た場合において、過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡し

を受け、又は主たる債務者に代わって弁済をし、その他自己の財産

をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、その保証人は、

主たる債務者に対して求償権を有する。

2  第四百四十二条第二項の規定は、前項の場合について準用す

る。 

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